日本内部統制研究学会 会長 鳥飼 重和


会長挨拶

 人間性が高く包容力のある川北博前会長の後を受け、2010年9月に、2代目の会長に就任いたしました。川北前会長は、企業に求められる真の内部統制の確立を標榜する当会の初代会長として、当会の基礎を築くことに尽力され、そのお陰で、当会の存在は広く社会に認知されるところとなりました。川北前会長のご功績に心から敬意を表します。

 川北前会長の築かれた基礎に基づき、当会がより発展して日本における内部統制が企業の健全な発展に寄与できるようにすることに、微力ではありますが、貢献できればと考えております。理事等役員の皆様、会員の皆様のご指導、ご支援をお願いする次第です。

 真の内部統制は、企業の永続的な成長に寄与するものです。その企業の永続的な成長は、各々の企業が時代の変化に各々適応することに基づくものであり、本来、企業の自律的な経営に基づくものです。その意味では、真の内部統制は、金融商品取引法等法律による他律的な規律を本質とするものではありません。すなわち、真の内部統制は、法律の規律に振り回されることなく、法律の趣旨を活かしつつ、各々の企業の特性に基づき、各々の企業に相応しいものを構築し運用し、もって、企業の永続的な成長に生かされるべきものです。例えば、経営者の広汎な裁量権を認める経営判断の原則という判例ルールを活用し、内部統制環境の整備如何によっては、軽装備の内部統制の構築・運用によって、過大な費用をかけずに、信頼されるディスクロージャーを築きつつ、他方で、経営の効率性を向上させることができます。

 ところが、現実の内部統制報告書制度の実務は、法律による他律的な規律に過剰に振り回され、各々の企業の特性を生かすことなく、各々の企業に相応しい内部統制を構築し運用する面が阻害されています。つまり、せっかくの内部統制が、過大な費用を要する重装備なものとなり、企業の永続的成長に寄与する点がなおざりにされている観があります。

 そこで、有力な学者・実務家からなる当会は、真の内部統制の在り方に基づき、現在の内部統制実務を見直し、各々の企業にとって永続的成長の基礎となる真の内部統制の構築・運用に対する研究をし、適切な提言することを社会から要望されています。その社会の要望に応えるように、当会は努力いたします。それも、皆様のご支援、ご助力があってできることですので、皆様のご指導ご鞭撻をお願いいたします。